経験者が語る「接客あるある」(2)飲食系接客スタッフの「人材育成の悩み」編

◆前回の記事はこちら:飲食の現場、これに困った!経験者が語る「接客あるある」(1)いろいろなお客さま編

 

前回に引き続き、後輩に仕事を教える経験から「人材育成のあるある話」を教えてくれたのは、
某飲食チェーン店でのスタッフ経験をされていた伊東さん(仮名)。

伊東さんの口から語られる人材育成のヒントには、
ご自分の経験を活かした、彼女ならではの「やさしさ」の工夫がありました。

接客など業種に関わらず、人材育成の難しさと苦労には、共通する課題がありそうです!

「人に教える」って、やっぱりすごくむずかしい!

「まだまだ新入り」だと思っていたら、いつの間にか「ベテランスタッフ」になり、
新人スタッフに仕事を教える立場になっていたという伊東さん。

やはり最初は「自分が、人に仕事を教えられるのか?」と不安だったのだそう。

――「仕事を教えるときは、いつも『自分の言っていることが相手にきちんと伝わらない』ってことに悩みました。『わかりました』と言うからには理解してくれているはず……と思いきや、実際には指示と全く違うことをしていたり。『それは違うよ!』という指摘も言い出しづらさを感じて、困った記憶がありますね。」

「自分がやった方が早い!」という気持ちになりがち。

――「仕事に不慣れな新人さんと働くと、作業の速さも問われるなかで、『この仕事は、人に教えるよりも自分でやったほうが早いんじゃないか?』って考えちゃう。でも、そうすると新人さんは仕事を覚える機会がなくなってしまう。仕事を教えるときは、根気強く! と、いつも意識していました。」

後輩と仲良くなるのが、何だかむずかしい。

――「若いスタッフさんだと、厳しい先輩スタッフを前に縮こまっちゃう人が結構いるんです。私は、早く心を開いてもらえるように、『髪、切ったんですか?』とか、たわいもない話をして、場を和らげるようにしていました。」

「自分をきちんと見てくれている人がいる」と感じられることは、「働きやすさ」につながっていますよね。
伊東さんの声かけに助けられたスタッフさんが、きっとたくさんいたことでしょう。

気軽に声をかけられる環境をつくることは、作業ミスの防止にもつながる重要な取り組みでもあります。

あいさつをしてくれない後輩……どうする?

――「これ、怒る人も結構いますけど、私は自分からあいさつをするよう心がけていました。『先輩より先にあいさつしなきゃダメ!』なんて怒らなくても、自然とあいさつしてくれるようになりましたよ!」

職場でのあいさつは、同僚との関係をつくる基本のコミュニケーション。

「あいさつをする文化」を行動で示すことで、「指導」しなくても習慣づけることができるわけですね。

新人スタッフにワンオペをお願いすることに……

――「飲食チェーンでは、そういう状況が避けられないときもあります。『想像するより難しくないよ!』などと、ひとまず自信を持って臨んでもらえるよう、声をかけていました。

ワンオペ勤務が終わったあとは、『お疲れさま! たいへんだったんじゃない?』と、何とか乗り切った苦労話を、たくさん聞いてあげるんです。つらかった気持ちをフォローするのも、先輩スタッフの務めだと思うので。」

一時期は、その過酷な労働環境が社会問題にもなった「ワンオペ」。
そんな状況を避けられないなか、現場ではスタッフ同士で少しでもつらくならないよう、支え合っていたのだそうです。

なかなか仕事を覚えてもらえない。

――「接客の仕事は単純に見えるかもしれませんが、実はかなり複雑です。仕事は、段階的に教えるよう心がけました。何か1つでもできるようになったら、新しい仕事を覚えるのはまた次回。ゆっくり、確実に覚えてもらうんです。それとあわせて、『メモは取らなくて大丈夫?』などと声をかけていました。」

人手が足りず忙しいなか、仕事は早く覚えてほしいもの。
気が急いてあれもこれも……と教えてしまうより、「急がば回れ」なのかもしれませんね!

――「あと、教えるときは、『この仕事では、気をつけてほしいことが2つあって……』とか『ここは私も間違えやすいところなんだけど……』というふうに強調して、最低限おさえるべきポイントを覚えやすいようにもしていました。私も一気に仕事を教えられて、わからなくなっちゃうことがよくありましたから。」

ちょっとしたことでも、叱ると嫌われてしまう。

――「あなたのことが嫌いだから叱っているのではないということ、よりスムーズに、安全に作業をするために指導しているんだよということは、いつも強調して伝えていましたね。」

「叱る」ときの言い方にも、経験で学んだコツがあるのだとか。

――「ミスを指摘するときは、本題のあとに相手をほめるんです。『でも、こうしてくれたのは助かったよ』とか、『でも、~~の作業は、もう一人でもできるね!』とか。伝える情報の順番が違うだけで、相手の気持ちが変わるってことに気づいてからは、意識して言うようにしてました。ほかにも、たとえば、指摘するときは声色にも気を遣いましたし、そのあとの気まずさを後で引きずらないようにも気をつけました。」

「叱る」機会は成長のチャンスでもありますが、誰だってミスを指摘されるのは苦手なもの。
だからこそ、丁寧に気を遣って行うべきことなんですね。

 

人手が足りないなか、自分の仕事もこなしつつ、新人さんに仕事を教えるのはとても大変。
それでも、

●「自分が先輩にされて嫌だったこと(きつい言い方で指導される、1回のミスでひどく怒られる)は絶対しない
●「良いところを見つけて、たくさんほめる

という2つのモットーを守って、新人さんを指導していたのだそうです。

一言ひと言に滲む、伊東さんの「やさしさ」。
接客などの職種に関わらず、「人を育てる」ためのさまざまなヒントを教えてくださいました。

取材に応じていただき、ありがとうございました!〈 聞き手:Gambatte 編集部 〉

 

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